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| 未病の時代に必要なものとは何か |
「未病(みびょう)」という言葉を最近よく聞くようになりました。「病気ではないが、全く健康でもない」状態を指しますが、メタボリックシンドロームに代表されるように多くの日本人が未病の状態であるという。この未病時代のセルフメディケーション(自己管理)として漢方が注目されています。
薬剤師でもあり、漢方スクールの講師でもある薬日本堂株式会社鈴木養平氏へ、漢方に対する考え方や付き合い方についてお聞きしました。
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| 自分の体は自分で守るという健康観 |
今、漢方ブームとも言える状況だと思いますが、その背景には何があるのでしょうか?
自分の体の事をよく知るという意味で、漢方の知識が役立つと感じる人が増えているからだと思います。セルフメディケーション、つまり自分の体は自分で守るという生活スタイルを志向する人たちから漢方が受け入れられています。
病気になったらどうするか?ではなく、病気にならないようにするために今自分に何ができるのか。健康法ではなく予防医学 が重要視されています。そうした予防医学としての基本骨子が確立されている漢方が、未病の時代とも言える今の時代から求められているのだと理解しています。
西洋医学は、人を細胞の集まりととらえます。悪い細胞がないかを診て、それを取る事が目的です。解剖学が発展し、臓器を詳細に診るために、顕微鏡やCT/MRIなどの医療機器、そしてその臓器を治す医薬品や悪い臓器を取る治療技術が発展してきました。
かたや一方、東洋伝統医学は、人の体の中はブラックボックスであり、人を細胞の集まりとして見るのではなく頭から足先まで一つの有機体との認識に立ち、自分のカラダも有機的に自然界とつながっているからこそ、いかに自然界と共存し、自然界から力を与えてもらうことで病気にならないようにするか、未病を改善するか、いわゆる「養生」という考え方が基本となっています。
「健康で長生きする」という目標は同じですが、文化の違い、思想、目指しているものが全く違うと言えます。それを理解した上で、お互いの良いところを生活に生かしていくことが重要なのです。
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| 陰陽五行説 |
例えば、漢方の理論をどう生活に生かしていくのでしょうか。
体調不良になる前に、なんらかの「サイン」が自分のからだに出ています。今の生活習慣が適切でなければ「良くない」とカラダがサインを出します。
例えば、排泄物や顔の表情、手足の冷え、関節のこわばり、むくみなどからサインが見えてきます。そのようなサインを、「最近忙しかったから」と感覚的に捕らえるのではなく、そのサインを自分で見定め、そして漢方の理論に基づき対処方を弁証していくという実践が漢方養生生活と言えます。
症状を含めたその患者の状態を証(しょう)と呼びますが、証を得るためには、五感でよく観察することがまず必要となります。陰陽五行説や気血水理論に基づき状態を捉え、体からのサインを見定めていきます。
漢方の理論は、そうしたサインを感じ取り、セルフメディケーションを実践する知識を与えてくれるのです。
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| いかに漢方で養生生活を送るか |
漢方を学ばれる方は、一般的には医療従事者の方々が多いのですか?
当社のスクールには、もちろん医療従事者の人も多くいますが、先程お話したように、生活に漢方を取り入れたいと考える一般の方々の方が多いですね。
漢方というと、お薬だから医師や薬剤師が学ぶものと認識している方が多いと思いますが、当社のスクールで用意しているコースは、いかに漢方で養生生活を送るかをテーマにしたカリキュラムを多く展開しています。 対処的な考え、つまり「むくみにはこの漢方を」のような理論だけではなく、漢方の基本骨子、理論などを重視して教えています。
また、生活テーマに密着したカリキュラムも用意しており、漢方を気軽に学んでいただけるよう構成しています。
例えば、美味しいブレンド茶が作れるようになるコース、漢方の基礎理論に基づいて日常で簡単にツボ押しマッサージが出来るようになるコースなどがあり、そういうカリキュラムを通じて漢方の基礎理論を学んでいただければと思っています。
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| 漢方の素晴らしさを後世に伝える |
最後に50ism世代へメッセージをお願いします。
当社のスクールに来ていただいている50歳、60歳代の方へ、どうして漢方を学ばれているのかお聞きすると、ご自身のカラダだけではなく旦那様やお子様、お孫様の体をケアしたい、漢方の知識を子供たちに伝えていきたい、という方がいらっしゃいます。すばらしいことだと思います。若い世代の方になるとご自身のカラダやお子様をケアしたい、お仕事に漢方の知識を役立てたいという目的の方が多いのですが。 漢方が皆さまの養生生活の大切なエッセンスになれば幸いです。
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| インタビューを終えて |
鈴木さんからお話を聞き、漢方の奥深さを実感しました。 ここで書いた内容以外にも、気血水の考え方、臓腑と臓腑弁証の考え方など、色々な話を初心者である私にわかりやすく教えていただいたのですが、一つ感じたことは、漢方と真剣に向き合うには、机上での読書き情報の理解・記憶だけでなく人が持つ五感を開放しそれを研ぎ澄ますよう努力しなければ、漢方の本当の価値が見えてこない、と感じました。我々日本人が古来からずっとそうしてきたように。 | |
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